ダイアトニックコードといえば、
メジャースケールのダイアトニックコードはよく聞きますが、
ナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードはあまり聞かないので知らない!という場合が多いと思うので、ここで紹介します。
ここでは、ナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードについて、
- ダイアトニックコードとは?
- ダイアトニックコードの構成
- ダイアトニックコードの覚え方
- ダイアトニックコードの使い方の例
を紹介します。
その前に、ナチュラルマイナースケールについて詳しく知りたい場合はこちら
ダイアトニックコードとは?
ダイアトニックコードとは、
スケールの構成音が用いられているコード
のことで、ナチュラルマイナースケールには7つのダイアトニックコードがあります。
ダイアトニックコードの構成
ナチュラルマイナースケールのダイアトニックについて詳しく見ていきましょう。
全12調の中から、
Cナチュラルマイナースケールを例にして見ていきます。
3和音のダイアトニックコード
ナチュラルマイナースケール
があったときに、この●がついている部分を1つとばしで3音抜き出します。
このようになりました。
これは、Cmコードです。同様に7つ抜き出すとこのようになります。
- Cm
- Dm(♭5)
- E♭
- Fm
- Gm
- A♭
- B♭
4和音のダイアトニックコード
ナチュラルマイナースケール
があったときに、この●がついている部分を1つとばしで4音抜き出します。
このようになりました。
これは、Cm7コードです。同様に7つ抜き出すとこのようになります。
- Cm7
- Dm7(♭5)
- E♭M7
- Fm7
- Gm7
- A♭M7
- B♭7
ダイアトニックコードの覚え方
ナチュラルマイナースケールの3和音、4和音はそれぞれ7つのダイアトニックコードがありましたが、
さらに、それが全12調あります。
7×2×12=168個のダイアトニックコード
これを真面目に1つ1つ覚えていくのは絶対に嫌ですよね...。
なので、覚えるときの方法、考え方について、4和音のダイアトニックコードを例に解説します!
ダイアトニックコードはディグリーネームの型から導き出す!
まず、先ほど確認したCナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードの最初のアルファベットを、ディグリーネーム(ローマ数字)に置き換えます。
- Cm7
- Dm7(♭5)
- E♭M7
- Fm7
- Gm7
- A♭M7
- B♭7
↓
ディグリーネームに置き換えるとこうなります。
- Ⅰm7
- Ⅱm7(♭5)
- ♭ⅢM7
- Ⅳm7
- Ⅴm7
- ♭ⅥM7
- ♭Ⅶ7
ディグリーネームで置き換えるときの♭(フラット)は、先に書きます。
ディグリーネームで考える理由としては、先に型を作っておくことで、あとはそこに全12調を入れるだけで、すべてのパターンを表現できてしまうからです。
ディグリーネームで置き換えた型は、
数学でいう、公式のようなものです。
この型をもとに全12調のダイアトニックコードを作ります。
Aナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードの場合
Aナチュラルマイナースケールは、
ラ,シ,ド,レ,ミ,ファ,ソ,(ラ)
なので、それをアルファベットに置き換えた、
A,B,C,D,E,F,G
をディグリーネームの型に当てはめます。
- Am7
- Bm7(♭5)
- CM7
- Dm7
- Em7
- FM7
- G7
このようになりました。
Dナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードの場合
Dナチュラルマイナースケールは、
レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ♭,ド,(レ)
なので、それをアルファベットに置き換えた、
D,E,F,G,A,B♭,C
をディグリーネームの型に当てはめます。
- Dm7
- Em7(♭5)
- FM7
- Gm7
- Am7
- B♭M7
- C7
このようになりました。
このように全12調のダイアトニックコードを導き出すことができるので、覚えておきましょう。
ダイアトニックコードの使い方の例
マイナーツーファイブ
メジャースケールには
Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰ
というツーファイブワン進行がありますが、ナチュラルマイナースケールにもツーファイブワン進行があって、それを
マイナーツーファイブ
と呼びます。
ディグリーネームで表すと
Ⅱm7(♭5)→Ⅴm7→Ⅰm
Cナチュラルマイナーキーの場合
Dm7(♭5)→Gm7→Cm
といったコード進行です。
ですが、一般的には
Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰm
といったように、Ⅴm7をⅤ7に変えて使うことが多いです。そしてこれを、
マイナーツーファイブ
とされている場合が多いです。
このⅤ7は、ナチュラルマイナースケールではなく、
ハーモニックマイナースケール
等のダイアトニックコードの構成音です。
モーダルインターチェンジ
モーダルインターチェンジ...
少し難しそうな名前ですね(笑)
モーダルインターチェンジとは、一時的に別のスケールのダイアトニックコードのコードを使うことで、例えば「Cメジャースケールの曲の場合、Cナチュラルマイナースケールからコードを借りて使う」といったことがあります。
モーダルインターチェンジの例
- セカンダリードミナント
- サブドミナントマイナー
- マリオ進行
インターチェンジと聞くと一般道と高速道路を出入りするアレを思い浮かべるかもしれないですが、モーダルインターチェンジも、「モード(スケール)間を出入りする」といった意味合いなので、考え方は似ているでしょう。
演奏や作曲でとても使える大事な概念なので理解しておきましょう。
まとめ
要点①
ダイアトニックコードを導き出すためには、
ディグリーネームの型
- Ⅰm7
- Ⅱm7(♭5)
- ♭ⅢM7
- Ⅳm7
- Ⅴm7
- ♭ⅥM7
- ♭Ⅶ7
を使う!
要点②
メジャースケールのツーファイブとは別に、
マイナーツーファイブ
がある!
要点③
モーダルインターチェンジを使った例として、
- セカンダリードミナント
- サブドミナントマイナー
- マリオ進行
などがある。